大事なのは方法論ではなく個体差の評価! 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養評価・ダイエット・健康に関するセミナー「トレーナーの為の栄養学講座」岡洋介です。

甲状腺機能低下でコレステロールと中性脂肪↑

クライアントから「コレステロールが高いんです」と相談受けたらどうしますか?

なんで脂質代謝異常が起こるのか機序が分かってないと解決できません。

1つの原因は以前の記事のインスリン抵抗性。
そして甲状腺機能低下も原因となり得ます。

肝臓から出荷されたリポタンパク質(血中での脂質の輸送体)VLDLは血中を巡ってLPL(リポタンパクリパーゼ)により中性脂肪が分解され、サイズが小さくなっていき、肝臓にあるリパーゼ(HTGL)でも中性脂肪の分解を受けLDLになります。
LDLは各組織にコレステロールを運んでいき、一部は肝臓にいきます。

しかし、HTGLは甲状腺ホルモンが低下していると活性できず、中性脂肪が多いリポタンパク質が血中に増えることになります。そして肝臓のLDL受容体は甲状腺ホルモンが低下していると発現が減るため、血中のコレステロールと中性脂肪が増えるのです。

コレステロール血症の11%は甲状腺機能低下が原因とも言われています。

ただ、甲状腺ホルモン低下で肝臓で合成されるコレステロール自体は減ります。キー酵素となるHMG-CoAレダクターゼの活性が落ちるからです。
そしてコレステロールから胆汁酸へ行く経路の酵素も活性が落ちます
ですので、「合成量は落ちてるけど血中コレステロールが高い」という状態。

甲状腺機能低下はエネルギー不足の状態なので、コレステロールの合成量は落ち、各組織ではコレステロールを材料として使えない状態となります。

なので原因が甲状腺ホルモン低下の場合はスタチン系などのコレステロール低下薬は注意です。

合成量は減っているので、その下流にあるコエンザイムQ10やビタミンDなどが減ってしまうからです。

トレーナーの皆様はクライアントにコレステロールの相談をされたら甲状腺機能もチェックしましょう!そして一時的にスタチンを飲まなければいけない時はコエンザイムQ10やビタミンDの補充をアドバイスしましょう!

ではまた^_^