「大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養評価・ダイエット・健康に関するセミナー「トレーナーの為の栄養学講座」岡洋介です。
(毎日の飲酒)+(肥満・インスリン抵抗性・ダイエット中など)+(アセトアミノフェン)→肝臓にダメージ大!
コ○ナワクチンの副反応の発熱や頭痛に備えてアセトアミノフェンが含まれる市販薬が品薄状態とのこと。理由は副作用が少ないからとのこと。
確かにアセトアミノフェンは一般的に副作用が少ないとされています。
しかし、毎日アルコールを摂取していて肥満やインスリン抵抗性、ストレス過多などの人はどうでしょう?
アルコールの代謝はまずADH(アルコール脱水素酵素)で行われますが、飲酒量が多くなったり、日常的に飲酒をしているとMEOS(ミクロソーム エタノール酸化酵素)と呼ばれる酵素が誘導されてきます。これによってアルコールが効率的に代謝されるのです。普段から酒を飲むことで酒に強くなるという現象がこれです。
MEOSには何種類かあるのですが、代表的なものとしてCYP2E1というものがあります。
これは遊離脂肪酸によっても誘導されます。
インスリン抵抗性や慢性的なストレス、ダイエットなど肝臓に脂肪酸が沢山集まってくる状況だとCYP2E1も増えてきます。
そしてこの酵素は薬物代謝にも関わります。
通常はアセトアミノフェンは、ほとんどがグルクロン酸抱合や硫酸抱合により代謝されます。
一部CYP2E1により代謝され、肝毒性のあるNAPQ1(肝細胞を構成するタンパク質とくっ付いて細胞を障害します)に代謝されますが、その後グルタチオンにより無毒化されます。
しかし、
・CYP2E1が増えている
・グルタチオンがアルコールや活性酸素の代謝に使われてしまっている
このような状態の時はどうでしょう?
アセトアミノフェンからCYP2E1を介して多くのNAPQ1が産生され、かつグルタチオンの枯渇で代謝できない→肝臓にダメージ大!となります。
なのでアセトアミノフェンは一部の人には副作用の可能性あり!というお話でした。
※ちなみにCYP2E1は3日間酒を抜くとだいぶ減ります(外国人を被験者とした論文の場合)
分子栄養学って面白いですよ^_^
一緒に学んでいきましょう!