大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養セミナー「トレーナーの為の栄養学講座」
岡洋介です。

鉄不足がなかなか治らないんです、、、」

鉄不足だと鉄剤やサプリを摂ればいいという考えになりがちですが、それでは解決しないことが多くあります。

なぜか。

細菌感染や炎症があると鉄の吸収が阻害されるから」です。

鉄は酸素を運んだり、代謝に必要な栄養素としてエネルギーを作るのに使われます。
反面、酸化ストレスを増加させたり、細菌の増殖にも利用されます。

細菌や損傷した組織があるとマクロファージや好中球などが貪食をし、活性酸素で殺菌をします。
これが活発になると健全な細胞も障害してしまいます。

ですので細菌感染時や炎症時には、防御反応として鉄の吸収を抑えてしまうのです。

炎症性のサイトカインのIL-6を肝臓が受け取るとヘプシジンというホルモンを出し、鉄の利用を抑制します。
(腸では吸収↓、細胞では出荷↓フェリチン↑、→血清鉄↓&鉄を運ぶタンパク質のUIBC↓)

ですので、炎症の有無を血液データで確認する必要があります。
ここでいう炎症とは腸が悪かったり、歯根感染があったり、上咽頭炎があったりと「自覚のない炎症」も含みます。

血液検査で鉄が少ない時には、まずその原因を考えなくてはいけません。」

・細菌感染や炎症はないか
・摂取量が足らないのか
・吸収ができていないのか
・消化管出血はないか
・月経過多はないか
・※溶血性貧血はないか

溶血とは物理的ストレス、あるいは酸化ストレスによって赤血球が壊れてしまうこと。物理的ストレスは裸足で行うスポーツ、例えば空手や剣道などでは踏み込みの衝撃で赤血球が壊れます。または長距離のランニング、格闘技などの打撲などなど。

上記のように血液検査で鉄が低くなってしまう原因はそれぞれなので、しっかり原因に合ったアプローチをしなければ改善はしません。

お腹にカンジダ菌が増えているのに鉄サプリを摂っても効果があるどころか、カンジダが増殖し悪化するリスクもあります。

トレーナーの皆さん。
まさか安易にヘム鉄サプリやキレート鉄サプリ勧めていませんか?

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