「大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」
分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養セミナー「トレーナーの為の分子栄養学講座」岡洋介です。
「高血圧にはマグネシウムも⁉️」
先日の投稿で高血圧にはビタミンDとマグネシウムをセットでと書きました。
高血圧にマグネシウムが効果的というのは以前から疫学的には分かっていましたが、なぜ?というのは未解明でした。
6月に発表された大阪大学の研究でその一端が解明。
https://research-er.jp/articles/view/100415
先に結論
マグネシウム↑→マグネシウムの吸収、再吸収のイオンチャネルTRPM6↓→レニン↓→高血圧↓
・マグネシウムの腸での吸収、尿細管での再吸収に関わるイオンチャネルのTRPM6を発現しないようにしたマウスでは日々の活動による血圧上昇が見られなかったとのこと。
・これはレニンの分泌が妨げてられていたから。
TRPM6が発現する遠位尿細管とレニンを分泌する傍糸球体細胞が隣り合っていて、なんらかの情報をやり取りしているらしいことが分かった。
・TRPM6の発現はマグネシウム量に依存している。
要するにマグネシウムをしっかり取るとTRPM6の発現が減る→レニンの分泌減る→血圧の上昇が起こらない
ちなみに別の研究では重症の破傷風治療に高濃度のマグネシウムを投与したところ、交感神経の節前繊維からのアセチルコリンの分泌が減る+副腎髄質からのアドレナリンが減るという機序で交感神経が抑制されました。
ちなみに交感神経の神経伝達物質も節前繊維からはアセチルコリンです。節後繊維からはノルアドレナリン。例外的に汗腺は節後繊維からもアセチルコリン。
副腎では節前繊維が副腎まで入り込んでいて、節後繊維はありません。
ややこしいですね。
マグネシウムは超重要ミネラルです。
体内の600種類以上の酵素活性に必要。
摂取量としては350mg〜を目指したいところですが、日本人の平均は250mg位(平成27年国民健康・栄養調査)。
ではまた🙂