大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養セミナー「トレーナーの為の栄養学講座」
岡洋介です。

「糖質過多と貧血と肥満の悪循環」

先に要点
NADPHが不足すると
・酸化ストレス↑
・血流↓
・コレステロール↑
・タウリン ↓
・甲状腺ホルモンの働き↓→痩せられない
などにより様々な症状が引き起こされます。

NADが不足すると代謝は落ちます。→痩せられない

・糖質過多になると余ったグルコースはポリオール経路へ。
グルコース→ソルビトール →フルクトースへと代謝されます。
この時にNADPHとNADが消費されます

・NADPHはアルギニンから一酸化窒素への代謝にも使われて血流を良くするので、不足で血流↓


※通常の食事ではポリオール経路はそんなに動きません。この記事は、糖質過多+過食があって太っている時や、インスリン抵抗性・糖尿のケースです。

・NADPHはグルタチオンという細胞内で抗酸化の働きをしているペプチドを還元して働けるようにしています。不足すると酸化ストレスが強まり、赤血球においては細胞膜が壊れやすくなり溶血します。→溶血性貧血の引き金となる

・NADはエネルギー代謝においてH+を運ぶ役目。
人の代謝はざっくりというと食べ物からH+を取り出してNADとFADにくっ付けて電子伝達系まで運び、ミトコンドリアの内膜と外膜の間に集めて電位差を作って、それを一気に解放することでエネルギー(ATP)を作ります。水力発電みたいな感じです。ダムに水を集めて一気に落っことすみたいな。

なので、NADが不足すると代謝が回らないのです。すると余ったアセチルCoAは脂肪酸の合成に使われ脂肪に。

・ちなみにこの脂肪酸の合成にもNADPHが使われて、ますますNADPH↓に。

・NADPHはコレステロール合成経路で胆汁酸への経路に使われます。不足するとコレステロール↑

・NADPHは細胞内で甲状腺ホルモンのT3が核受容体に結合する時に働く為、不足で甲状腺ホルモンの働き↓(T3はタンパク質と結合しているが、遊離しないと働けません。その遊離にNADPHが必要)

高血糖によるポリオール経路↑で、ソルビトール はタウリンの取り込みを阻害します。タウリンは胆汁酸への経路に必要だったり、脂肪細胞の炎症を抑えインスリン抵抗性の改善に寄与したりします。
よってタウリン ↓は脂質代謝異常の引き金に。

今回は少しややこしいですね。
でもこのように仕組みを学ぶことでクライアントからの不定愁訴に対応できるようになっていきます。
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ではまた🙂