大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養評価・ダイエット・健康に関するセミナー「トレーナーの為の栄養学講座」岡洋介です。

なぜHDLが少なくなるのでしょうか?
なぜLDLは悪さをするのでしょうか?

肥満や炎症などによりインスリン抵抗性を起こし、糖を取り込まなくなった脂肪細胞は脂肪酸を分泌します。(遊離脂肪酸)
これは、もうこれ以上太らないようにする体の防御機構でもあります。

このような状態になると肝臓で受け取る脂肪酸が多くなり中性脂肪が合成され、出荷されるVLDL(ベリーローデンシティリポプロテイン:血漿中での脂質の輸送形態、コレステロールや中性脂肪を運びます)も多くなり、中性脂肪を多く含み、大型になります

この中性脂肪リッチなVLDLとHDLはCETP(コレステロールエステルトランスファープロテイン)を介してVLDLからHDLに中性脂肪を、HDLからVLDLにコレステロールが移されます。


※TG:中性脂肪
CE:コレステロールエステル
HTGL:肝臓性リパーゼ

すると中性脂肪リッチなHDLになります。そしてそのあと肝臓のHTGL(肝性リパーゼ)により中性脂肪が分解されHDLは小型化します。
これがHDLコレステロールが減るということです。

このように小型化するとHDLを構成しているアポA-1というタンパク質が離れ腎臓で処理されHDLは血漿中から消去されます

LDLも同じようにVLDLとコレステロールと中性脂肪を交換して、そのあとに中性脂肪を分解され小型のLDL(sd LDL:スモールデンスLDL)になります。

悪さをするLDLは主にこれです。
サイズが小さいので血管の内皮に入り込みやすくなる
小型化したLDLはLDL受容体との親和性が落ち、血中を漂っている時間が長くなり酸化しやすくなります
酸化したLDLはマクロファージ に貪食され、マクロファージ は泡末化し、動脈硬化を起こしていきます

なので、炎症やインスリン抵抗性を抑えることが脂質代謝改善につながります。

また今度なぜ肥満がインスリン抵抗性を招くのかとかを書きます。

6月5日は「血液データリーディング入門編