「大事なのは方法論ではなく個体差の評価!」 分子栄養学に基づいた血液データリーディング・栄養評価・ダイエット・健康に関するセミナー「トレーナーの為の栄養学講座」岡洋介です。
「ファスティングってどうなんですか?」
セミナー参加者から質問がありましたのでシェアします。
「うまく取り入れることで健康面でのメリットは大きい」と個人的に思います。
ただ、「ファスティングができるカラダの状態であるかどうか。」をちゃんと考慮しなければなりません。この辺りはいつも言っている個体差の評価が大事になります。
副腎疲労や低血糖などがある人はそもそもファスティングができません。
では、ファスティングができる状態である前提での僕の考える利点は2つ。
「1つ目は、小胞体ストレスの緩和。」
ヒトのカラダは水とタンパク質でできていて、細胞内では日々タンパク質のリサイクルが行われています(オートファジー )。これは要するに細胞の品質管理です。
ファスティングすると細胞内でタンパク質の材料となるアミノ酸が不足する為、オートファジー が活性化します。これにより細胞内の古いタンパク質やできそこないのタンパク質の代謝が進み、細胞内のストレス(タンパク質の工場である小胞体のストレス)が軽減します。
これが出来なくなった状態が癌の1つの原因です。高たんぱく食の人は要注意です。この辺は詳しくはタンパク質編のセミナーでやっています。
「2つ目は、消化に使うATPを節約することによる解毒機能の活性化。」
肝臓では重金属や薬物、毒物を活性化→抱合→排出のように解毒を行なっています。
ざっくりいうとそのままでは排出できないので、細胞の中で水溶性にして排出します。
その細胞から排出する出口であるタンパク質(MRPタンパク質)がATPを使うので、ファスティングによって消化に使うATPを節約することで解毒が活性化します。
※MRPのスライドは宮澤賢史医師のスライドより引用
なので、世間で言われているダイエットや消化管を休めるというのは副次的なもので、本来は細胞のタンパク質代謝をよくしたりミトコンドリアを活性化することが目的です。
ではまた^_^